メカニカルな彼らに囲まれています

口をあんぐりと開ける。

後半からはファンしか知らなそうな情報に変わったものの、前半の内容はまさに私が過ごした1日。

時間もかなり細かく、証拠としては充分だ。


「信じてくれた?」

「う、うん。でも、どうして人間に変身できるようになったの?」

「君のことが心配だったから」


心配……私の視力が落ちないかとか? 休みの日は寝るとき以外ずっと触ってるし。

あとは、ズボラすぎるからってのもありそうだよね……。


「お姉ちゃん」


ハッと我に返ると、いつの間にか列が動いていて自分たちの番が来ていた。

急いでバッグからお財布を取り出し、小銭を賽銭箱に入れて手を合わせる。


「今年もいいことがありますように。アイチカとキアくんのライブに行けますように。お小遣いアップできますように。成績が上がりますように。病気も怪我もなく健康に過ごせますように」


長々と願いを唱える金髪美少年。わざわざ声に出しているところがなんともわざとらしい。

ちょっと黙っててくれる? と口を挟みたい気持ちを抑えて参拝を済ませた。