メカニカルな彼らに囲まれています

桜が開花し始めた3月下旬。

暖かい日差しが照りつける空の下、スキップしながら帰路に就く。


「たっだいま〜!」

「あら、おかえり」

「おかえりお姉ちゃん」


声高らかにリビングのドアを開けると、母と実優の姿が目に飛び込んできた。

2人がいるダイニングテーブルの上には、薄紫色のランドセルと、黄色の引き出しと……。


「あ、通知表見てるの?」

「ダメダメダメ! 見ちゃダメっ!」


近づいてくる私から隠すように、慌ててテーブルに突っ伏した実優。


三角が大量なら隠したくもなるよね。

だけど、ドア開ける前から、『すごいじゃな〜い!』『頑張ったのね!』って褒められてるのが聞こえてたから、きっと二重丸だらけなんだろうな。


「実優も恥じらいを持つようになったのか……」

「なに親みたいなこと言ってんの。ってか、やけにかばんパンパンしてない?」

「何かもらってきたの?」

「違うよ」