メカニカルな彼らに囲まれています

膝の上で握りこぶしを作り、うなだれる。


友達が増えるのはいいこと。交流が増えるのはいいこと。楽しみが増えるのはいいこと。

それで充実した毎日を過ごせるのなら、俺はいくらでも力を貸す。


だけど──最近目立つのは、笑顔よりも、眉間にシワを寄せた険しい顔。


「今日マニキュア買いに行ったとき、なかなかお目当ての色が見つからなくてさ。ずっとイライラしてたんだよね」

「それは、お前のせいじゃないだろ」

「うん。でも、問題はそこじゃなくて」


イタズラされてのしかめっ面と、苛立ちからのしかめっ面。

最初の頃は前者が多かったが、最近は後者が多い。


「頼りにしてくれているのは嬉しいんだよ。だけど、ちょっとでも言葉に詰まったり、曖昧な答え方になっちゃうと、『ハッキリしてよ』って怒られるんだ」


今日だけじゃない。

ショッピングモールでお菓子の金額を計算していたとき。

本人は無自覚のつもりだとは思うが、俺にはやや口調が刺々しく感じて。


思えば、プレゼント候補の話をしていたときも、わかりやすく口を尖らせていた。