メカニカルな彼らに囲まれています

安物といっても、既に安いんだけどな。差があったとしても、ほんの数十円くらい。

でも今回はプレゼントだから慎重になっているのかも。


決心が固かったようで、結局その日は買わず。

マニキュアが購入できたのは、ホワイトデーの前日だった。


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「よしっ。かんせーい！」


ホワイトデー前夜。

ご主人様はラッピング袋にリボンをつけると、俺を手に持ってカメラを起動し始めた。


数時間前に出来上がった焼きドーナツにピントを合わせて、正面から3枚。

次に右から2枚、左から2枚と、計7枚撮影。


写真をチェックすると、ドーナツを紙袋に入れ、パジャマを持って部屋を出ていった。

足音が遠ざかっていくのを確認して変身する。


「お疲れ」

「フウくんもお疲れー……って、今日はまだ稼働してないんだっけ」

「まだ、というか、多分今日はもうないな」