メカニカルな彼らに囲まれています

振り向いてみるも、口をポカンと開けて面食らった表情を浮かべている。


「あー……ごめん、なんの話だっけ」

「ホワイトデーに贈るプチお礼の話だけど……」

「プチ?」

「風邪で休んでたときにお世話になったから、お菓子とは別で何かあげたいなって。聞いてなかったの?」

「ごめん。キアくんのインタビューに夢中になってた」


苦笑いするケイに、ムスッと口を尖らせて前を向く。

もうっ。見とれる気持ちはわかるけど、ご主人様の話なんだから。ちゃんと聞いててよねっ。


「俺もショウくんと同じで、小物系かな」

「具体的にはどんな?」

「ヘアピンとか、シュシュとかはどう?」


シュシュかぁ。可愛いっちゃ可愛いけど、身につける系は好みがあるからなぁ。

ヘアピンも、ケース入りの20本セットみたいなものだと、ちょっと地味だし。かといって飾りつきは値段が張るからなぁ……。


「アクセサリー以外では何がある?」

「えええー……あ、マニキュアは? ブランドによるけど、安いものだと1個300円くらいで買えるよ」

「300円かぁ」

「あとは石鹸、入浴剤……あ、ポケットティッシュはどう?」


頭の中で『気軽に贈れるギフト』とでも検索したのだろうのか、次から次へと出てくる。

さすがは情報担当。と褒め称えたいところだけど、だんだん福引の景品になってきてるよ。


雑誌を読むのを中断して、小一時間ほどプレゼントについて話し合ったのだった。