寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

好きな人ができました。



「手、離すなよ」


今日もわたしの隣を歩く、金髪の美少年がわたしの好きな人。


「なんだよ?」

…って思ったらすごい恥ずかしいっ

「なんでもないよっ」

顔を見るのも恥ずかしい…!

いつもと変わらない登校なのに、好きって伝えた後の方がドキドキするんだ…


知らなかった。


だって暖にもわたしの気持ち伝わっちゃったと思うと…


うわーっ 

これって彼氏と登校してるってやつ!?


え、待って彼氏なの!?


うわーーーっ


「あ」

暖がふと足を止めた。
何かなって覗き込むとポスターが貼ってあった。

もうすぐクリスマス、駅前のクリスマスツリーの特別イルミネーションのお知らせ…

「……。」

クリスマスは特別なイルミネーションが見られるんだ。

すごい、それってどんなイルミネーションなんだろう?
普通のも見たことないんだけど。

「行くか?」

「え…」

ポスターを見ていた暖がわたしの方を向いた。

「一緒に、見に行くか?」


“憧れてたんだ”

永遠に叶わないと思っていたわたしの夢…

“好きな人とクリスマスツリーを見に行きたかったのっ”

叶うの?


暖が叶えてくれる…