寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

暖の歩くスピードが上がる、引っ張られるようにあとをついていく。

佐湯(あいつ)が柑乃に触るのも嫌だし、佐湯(あいつ)と仲良さそうにするのも嫌だし、佐湯(あいつ)に温められるのも嫌なんだよ」

暖がわたしの手を強く握るから、さらに温度は上がっていくみたいで。

「…柑乃が大事にしてくれたから」

暖の足が止まった。

「壊さないようにとか落とさないようにとか、汚れないように着せてくれたこれだって…全部柑乃がしてくれたから、柑乃が大事にしてくれたから…っ」

いつもポケットに入れてた。

ポケットに手を入れてぎゅって握ればあったかくて、手を離したくなかった。

毎日毎日充電して、朝は一緒にでかけるの。

絶対失くさないようにって名前まで書いて。

「柑乃を温めるのは俺だけがいい」

つないだ手が熱いのか、わたしが熱いのかもうわからない。



暖のことを考えるとわからなくなるの。



これってどうゆう感情?


どんな気持ちの名前はー…



「柑乃が大事だから」