寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

マーリーがリュックの中から取り出してわたしにはいっと渡した。袋を開けた瞬間熱くなる使い捨てのホッカイロを。

「今度ね、隣の隣の隣の…駅にあるプラネタリウム見に行こ!」

「マーリー…」

「ソファーシートとかあるんだって、3人で見られるよ」

「つぐみん…」

わたしもう無理に笑わなくていいのかな?

大丈夫って言いながら何回笑って来たかな。

“カンちゃんは友達だもん!”

そんなささいな言葉がうれしくて、ホッカイロなんかなくても平気なくらいポカポカしてる。

「ちょっとー、カンちゃんまで泣かないでよ~!」

「かぁぁぁんちゃーん…っ」

「えっ、マーリー!?まだ泣くの…え、待ってよ私も泣きたくなるじゃぁん」

みんな帰った教室はたまに隙間風がひゅーっと入って来る。 
冷たくて寒くて冬を感じるけど、マーリーとつぐみんがぎゅってくっ付いてくから。

全然気にならないね。

ポカポカあったかいね、体も心も全部が満たされていくよ。