寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

「マーリー泣き過ぎ、カンちゃん困ってるよ」

ぽろぽろマーリーの瞳から涙がこぼれ、握ったわたしの手にも涙が落ちた。

「でもっ、つぐみんも言ってるじゃんカンちゃんも来れたらいいねって!」

「それはっ、そうだけど…」

マーリーが手を離した。
ゆっくり離れていく手がどこかむなしくて。

「さみしいじゃん…っ」

そう思ってくれてもどうにもできない、乾いた気持ちが溢れ出しそうで。


そんなのわたしだって思ってた。

でもどうしようもないから、諦めるしかないから、その気持ちが痛いー…


「だってカンちゃんいつも大丈夫って言うからっ!」

涙を必死に拭いて、はぁはぁと肩で息をする。一生懸命マーリーが叫んでる。

「うちらなんにもできないけど…っ」

ずっとこれが普通だった、それがわたしだったから。

「大丈夫って言われたら本当に何もできない…!」

そんなこと、わたし…っ

「マーリー…」

せめて心配かけないように迷惑かけないようにって、少しでも自分を保っていられるようにって。

そうやってあたたかい部屋の中から外を見てたの。

「あのね、これ…カンちゃんに」