寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

「カンちゃん1人でちゃんと帰れる???」

学校が終わる頃、外は雪が降るんじゃないかってぐらい寒かった。

今年はホワイトクリスマスになるかもって、ニュースでやってたような気がしないでもないね。

だからかな、マーリーの圧がすごい…

「カンちゃんのママ働いてるよね!?お迎えとか来てもらえないの???」

「お迎えは…無理だけど、帰れるよ…ありがとうね」

ずいっと身を乗り出すように近付いて、その距離の近さにわたしの方がのけ反ってしまう。

「カンちゃん困ってるから」

コンッと頭を小突いて、前のめりになったマーリーをつぐみんが止める。

「でも本当に大丈夫?結構風吹いてるよ」

そんなつぐみんも眉をハの字にして心配してくれてた。

「うん、大丈夫だよありがとう」

「本当に?だって今日…」

「あ、あれね!ごめんね、嫌なもの見せちゃってごめんね!気にしないで…っ」

そう言われても困るとは思う、びっくりさせちゃったし嫌な気持ちになってないかなとか…条件反射でサッと手を隠しちゃった。

別にまだなんともなってないんだけど、教室の暖房だって直ったしもう帰るだけだもん。

今日は1人だけど、帰れないわけじゃないし家に帰ればどうにかなるし。


だから大丈夫だよ、1人でも…


ね?


「あたしもっとカンちゃんとあそびたい!」