寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

あんなに静かにしてねって自分で言ったのに、そんなこと言われたらついムカッとしちゃって。

「そんなつもりないから…っ!」

部屋中に響いた。

「どうしてそんなこと言うの!?暖は知ってるって思ってたのに、わかってくれるって、わたしがアレルギー持ってること…っ」


あ、どうしよう。


瞳が、熱い… 

じわって熱がこもる。


「だから俺は…っ」


泣きそうだ…!


「柑乃~!起きてるのー?」

ママの声が階段の下から聞こえる。こぼれ落ちそうになった涙を拭って部屋を飛び出した。


もう暖のことなんて知らない。