寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

ギュンッと暖が勢いよく体を起こして起き上がって来た。

電池切れじゃなかったの?

「いい加減にしろよ」

立ち上がった暖がキリッと眉を吊り上げて佐湯くんを睨みつける。

低温ならぬ低音が響いて…
佐湯くんがわたしの後ろに隠れてきゅっとパジャマを掴んだ。

「なんで?なにもしないよ?あっためるだけだもん!」

ひょこっとわたしの後ろから顔を出す。

「ぎゅってして」

「してるじゃねぇか!!」

暖もそんなにムキにならなくてもいいのに。

佐湯くんだよ?別にそんな…

「皮膚が直接触れ続けることで低温やけどになるんだからな!」

……。

ずっとそれ心配してくれてるのかな?

それはありがとうだけど、そんな声出したら暖の方が…っ

「…っ」

あ、また倒れた。

大丈夫かな?だいぶ辛そうだったけど…

眉間にしわを寄せたまま眠り始めた暖の前にちょこんっと佐湯くんが座り込む。

「暖はゆっくり寝ててよね、あとはぼくに任せてさ♡」

…はぁ、ってタメ息が出ちゃうなぁ。

急に倒れるとか心配だからちゃんと寝てほしいんだからね、きっと人間の姿は負荷がかかるからゆっくり休んでほしいよ。寝られる時はちゃんと。