寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

いつもは時間かかっちゃう飾りつけも3人でやればあっという間で、最後に電飾をツリーにぐるっと巻くようにつければできあがり!

パチッと電気を消して、あとはスイッチを押すだけ!

あぐらをかく暖と三角座りをする佐湯くんの間に座ってすぅっと深呼吸をした。

この瞬間ドキドキする、暗い部屋がきらめく瞬間が…

「わ、すごい~!」

わたしより先に声を出したのは佐湯くんだったけど。
でもわーって表情をきらめかせるから私もうれしくなっちゃって。

「キレイだよね!家でピカピカが楽しめちゃうの!!」

外に行けなくてもこれだけでもすごくキレイだから。

「すごい…ぼくクリスマスツリーって初めて見た」

「……え?」

初めて…?

毎年クリスマスツリーは飾ってるけど、初めてって…

「クリスマスツリーってすごいキレイなんだね~」

あ、そっか…
佐湯くんはずっとわたしの部屋にいるから。

湯たんぽである佐湯くんが部屋から出られるのはお湯を入れる時ぐらい。
だからわたしの部屋とキッチンのくらいしか知らないんだ…

「俺はあるけどな」