寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

暖と佐湯くんを誘って階段を下りる、ママがお風呂に入ってることを確認してササーッとリビングまで。
うん、ちゃんとお風呂の電気ついてるし音も聞こえるから大丈夫だね。

「いいのか?見付かったらやべぇって言ったのは柑乃だぞ」

「ぼくも行っていいの~??」

絶叫見つかっちゃダメだけど、クリスマスツリーを飾るのにどうせなら2人も誘いたくて。

いつも1人で飾ってたから、見に行くことができなかったクリスマスツリーを。

「大丈夫!ママ長風呂だから!」

1時間は出て来ないもんね!
ちょっとくらい声が出てもお風呂まで届かないし、シャワーとか使ってたらわからないよ!!

「好きなもの好きなように飾っていいよ!」

リビングの隅っこ、テレビの隣に何も飾られてないただの木であるツリーが置かれて。
その前には靴下やベル、ボールのオーナメントもママが用意してくれた。

どこから飾り付けようかな~!

「ねぇこれってどうやってやるの?」

「うんとね、これは…」

杖の形をしたキャンディを持った佐湯に付け方を教えてあげる、紐をツリーにかけるだけだよって。

「これでいい?」

「そうそう、いい感じ!ねぇ暖もやってよ」

「俺は別に」

「その靴下飾って!」

「…。」