寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

「え…?」

「柑乃が1人でYouTube見てることはわかってる」

……そっか、わかってるんだ。

じゃあ、よかった…?

「誰かいたら困るから」

ぐつぐつと鍋が煮込まれる音だけが聞こえる、わたしが何も言えなかったから。

「パパが今日から出張なのに知らない人がいるなんてことあったら困るでしょ」

「……そーだよね」

「ママと柑乃が2人の時に泥棒でも入ったら怖いじゃない」

…、泥棒ではないからセーフ…かな?
いや、知らない人の時点でアウト?


うん、とりあえずは…

絶対バレないようにしなきゃっ!!


「YouTubeも大概にしなさいね」

「…はぁい」

もぐもぐとお鍋を食べながら考える。

ここにいたら2階の声は聞こえないけど…暖と佐湯くんで話が盛り上がるとも思わないからまぁそうか。
とにかく気を付けよ、もっとちゃんと。

「今日もお湯持ってくの?」

「も、持ってく!」

「ケトルに水入れたからもう沸いてるよ」

「ありがとうっ」

食べ終わったお皿をキッチンの流し台に持って行って、代わりにお湯の入ったケトルをもらった。

「いつもお湯だけだけど、お湯だけでいいの?紅茶とかココアがあった方がいいんじゃない?」

「ううん、お湯でいい!喉乾いた時はお湯が1番だよ!!」

「そう?柑乃ってそんなに白湯好きだった?」