寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

誰…っ!?


スラッと背が高くてキラッと光る金髪にがよく目立つ、起きたばっかりなのかふぁっとあくびをした。 

いやいやいやっ、だから誰なの!?

なんでわたしの部屋にいるの!?
不法侵入!?犯罪!?

今ママいないのに、どうしよ…っ!?


「おかえり、柑乃」


わたしの顔を見て吊り上がった瞳がかすかに笑った。それはとってもキレイな顔でちょっとだけドキッてしちゃう。

え、どうして…?
わたしの名前を知ってる?

「待ってたんだけど」

「待ってた…?」

ってどーゆうこと…?

パチッと目を合わせる、なんだか不思議な感覚で。


……あれ、なんか。


その髪色もなんだけど着てるセーターもどこかで見たことあるような、そんな色合いをしている。

モコモコでふわふわのちょっとくすんだ白と赤色のボーダー柄のセーターに金色の髪、それがすごく安心する。


似てるから、似てたから…

それはわたしのっ


「遅せぇよ!」

がばっと腕を広げてわたしのことを…っ

「…っ」

え 

え 


え…


えぇぇーーーーーーっ!?



「いやぁーーーーー…!」 


その瞬間、ポカッと温度が上がる。

ポカッとした空気に包まれる。


あ…あったかい…っ 


抱き着て来た男の子の腕の中はすごくあったかくて落ち着く、冷えた体を温めてくれるみたいにあったかかった。


この感覚は…?


「変態っ!」

でもすぐにドンッと両腕をめいっぱい伸ばして押し返した。

やっぱりやばいやつじゃん!
いきなり抱き着いて来るとか何!?

この人、誰…!?