寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

「カンちゃん昨日星見れたー??」

「え゛」

あ、変な声出ちゃった。

どこから出たの今の声!?って思うくらい変なところから出た。

マーリーにただ聞かれただけなのに。

食べてたおにぎり口からこぼすところだった。

「どうかしたの?昨日教室から見えたのかなーって思って聞いてみたんだけど…」

「あ、うん!見えたよすっごい見えた!!」

星なんか1ミリも見てなかったけど!

空見る余裕なんかなくて、体に触れる暖の手が気になっちゃってそのことばっか考えちゃって…


星の観察全くしてない!!!


「そっか~、カンちゃんも見れてよかったね!」

「うん、よかった!」


全然ッよくない…!!!


朝起きたら体育館に敷いたふとんを片付けて配られたおにぎりを食べたら今日はこれで終わり、帰ったら昨日見た星についてノートをまとめるようにって宿題を出された。

だからあとは帰るだけ、家に帰るだけ…

「柑乃、帰るぞ」

「!?」