寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

机に顔を伏せる。

霜月先生は教室から見てもいいって言ったけど、休むことだってできた。

学校の行事だけど、ママもわたしの好きにしていいって強制はしなかった。


でも参加しようって思ったのはー…



やっぱりわたしだって学校(ここ)にいたかったから。



星の観察はできなくてもわたしだって一緒にいたいの。



だけど…

「机冷たいっ」

やば!何コレやばい!

机ってこんなに冷えてたんだ!

やっぱ夜だからかな!?
わたししかいないからいつもより寒い気もするもんね!?


「……。」


ゆっくり立ち上がって窓の前に立つ。

ここからなら、見えなくもないかなぁ…
星、窓についた屋根が邪魔で全然わかんないや。

ベランダに出たら見えるかもしれないけど、それはちょっと…

“カンちゃん1人でしょ、1人で平気かなって”

平気だよ。
わたしは平気、今までだってあったもん。

去年の課外学習のスケートは留守番だった、雪が降った日は窓からみんなのことを見てた。

マーリーとつぐみんから送られてくる写真をいつも見てた。


だから平気なの。

平気なんだよ。


ただ、少しだけさみしい。


こんな時、わたしはいつも1人。



“何かあったらいつでも来てください”

ふと思い出す、そんな日はずっと保健室(そこ)がわたしの居場所だった。 


参加しなきゃよかったかな、毎年課外学習は休むなんてちょっと嫌だったんだもん。

わたしだって参加してみたかったんだもん。


でもちょっとだけ…


「家に、帰りたいな」


佐湯くんちゃんとお湯飲んでるかな?
お腹空いてないかな?
ケトルにお湯入れて来たけど、足りてるかな… 


暖は…

もう寝てるかな?


寝ちゃったかな、もう遅いもんね。

今日はお迎えもなかったから…



ちょっとだけさみしかったかも本当は、なんて。


なんて… 


気になることがいっぱいあって。




家にいるのも楽しかったんだね、わたし。



家ににいたら1人じゃなかった?

こんな気持ちにならなかったのかな…





ねぇ暖、何してる? 




―カチッ 


音が聞こえたと同時教室が真っ暗になった。

え、停電…!?
どうしよ、何も見えない…っ