寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

わたしにできるかどうかじゃなくて、やるしかないの。

わたしができることを…


やるんだ、星の観察だってー…!


「カンちゃん1人で平気?」


集会が終わった体育館、コートにマフラーに防寒対策ばっちりのつぐみんが何の防寒対策もしてないわたしに聞いて来た。なんでしてないかはする必要がないからで。

「うん!霜月先生が教室から見たらって言うから教室行こうかなって」

霜月先生も屋上へは行っちゃうけど、でも逆に考えれば自由じゃない?何してもいい!みたいな。

「本当に平気?」

「平気だよ~!あ、でも暖房壊れてるもんね!?わたしもコート着ていこっ」

「そうじゃなくて」

「…え?」

ぞろぞろと体育館から出て行く、7時半には屋上へ行く階段前に整列していなきゃいけないから。だからさっきまでワイワイ声もどんどん静かになっていって。

「カンちゃん1人でしょ、1人で平気かなって」

「……。」

課外学習に参加してる生徒の中で屋上へ行かないのはわたしだけ、だからここにわたしだけが取り残される。
それはもちろんわかってる、わかってて課外学習に参加してる。

「つぐみん~!早く早く、遅れるよ~!」