寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

半べそかいてる佐湯くんを置いて出ていくのはこっちもつらいんだけど、でもこれから行くの学校だし。

てゆーか暖だって学校は行けないからね!
校門までね、校門までも来過ぎだと思ってるけどね!?

「俺も学校泊まる」

「無理だよ!何言ってるの!?」

暖と手をつないでポカポカ温度を感じながら。

だけどそれは受け入れられないよ、無理だよ絶対!

「だって泊まりなんだろ?」

「そーゆう行事だからね」

「何すんだよ?」

「…屋上で星の観察」

学校の屋上で星を見て、この季節はどんな星が見えるのか観察してノートにまとめる。

「柑乃に出来んのか?」

「……。」

下を向いちゃった。

考えたら…
ううん、考えなくても。

それはたぶん…

「決めた、泊まる」

「勝手に決めないでよ!?暖が決めていいことじゃないから!」