寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

「えっ!?柑乃ちゃん今日帰って来ないの!?」

リュックに着替えの体操服を詰める、思ったよりパンパンになっちゃった。心配だから上着とかもこもこの靴下とか詰め込んじゃったから。

「え~さみしいよ~~~!行かないでよ~~~~!」

むぎゅっと佐湯くんがくっ付いて来る。
だけどその手に全然力がなくて、わたしの制服を掴みそこねてズルッと下に落ちて倒れ込んだ。

「お、お腹すいた~…」

「佐湯くん!そこにケトルあるから!早くお湯飲んで!!」

湯のみに入れてあげたいところだけど、学校へ行く準備で忙しいの!


だって今日は課外学習だから!!


ハブラシでしょ、タオルでしょ、他に何か…
あ、筆記用具…
は入れてあるねOK!

「じゃあいってきます!」

リュックを背負って準備万端、コートは着たしマフラーも手袋は…

「そうだな、行くか」

暖と一緒だからしないけど。

「え~~~、じゃあぼくも行く!ぼくも一緒に学校行く~~~~!」

お湯を飲んですぐに復活した佐湯くんは今度こそむぎゅっと…

「わっ」

抱きつこうとした瞬間、暖に追い払われていた。

「学校は子供が行くとこじゃねぇんだよ!」

「いや、待って!暖もダメだからね、行っていいとこじゃないよ??」