寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

「さむっ」

でもめっちゃくちゃ風は強いし冷たいし、思ったよりあれだった。

あ、外舐めてた。

ずっと教室にいたし、窓も開けてたけど動いてたからいつもより気にならなかったんだ。


え、すごい寒いじゃん。

めっちゃ寒いじゃん。


うわーーー… 


ゴミ捨て場地味に遠い~~~~!

パパッとゴミを捨てて、早く戻ろう…!!


「真面目に掃除なんて偉いですね、柑乃さんは」

空になったゴミ箱を持って急いで教室まで走っていこうと大きく一歩踏み出したところで呼び止められた。

開いた窓からこっちを見てる…

「緋太さんっ」

窓の枠に肘を立てて頬杖をついて、くすっと微笑んで。


あ、そっか…

ここは保健室だった。


外から来るとどこかわからなくなるけど、ゴミ捨て場へ行くのに保健室の前を通って来たんだ。

「今日は大掃除ですか、一生懸命掃除されてて偉いです」

「そんな…普通です、みんなやってますから」

むしろわたしの方がやることが少ないくらい、だからせめてこれくらいはってゴミ捨てに来たんだもん。

だから全然…っ

「もう少し近付いてください、僕が温めて差し上げますから」