寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

もうすぐクリスマス!
ってことは今年ももうすぐ終わるってことで、大掃除ってやつがある。

「ひぇ~手が冷たい~!」

「雑巾がけはやばいね、手が動かないわ」

真冬の雑巾がけは修行かと思うほど、できればみんなやりたくない掃除ラインナップで。

「つぐみんあっためて!」

「わっ、つめたっ!」

マーリーがつぐみんの頬にぴとっと手をくっ付けたから、わっと目を大きく開いた。それぐらい冷たかったんだ、きっと。

「マーリー、つぐみんおつかれ~!」

「カンちゃぁ~ん!」

タタタッとマーリーが駆け寄って来た。ふぅふぅ自分の息で手をあっためながら。

「カンちゃんたちも終わった?」

「うん、あとはゴミ捨てぐらいかな」

そんな私は教室のほうき係、これは正々堂々くじで勝ち取った係だけどたぶんわたしに雑巾がけは無理だから。

「ちょっとゴミ捨て行ってくるね!」

「あ、カンちゃん平気!?私行こうか?」

「これくらい平気だよ。ありがと、つぐみん」

教室のゴミ箱を持って廊下を出る。

ゴミ捨て場は校舎の外、だからつぐみんがあんな風に言ってくれたんだけど雑巾がけで手が赤くなってたつぐみんに変わってもらうなんて申し訳ないしこれぐらい…

ちょっと外行くぐらいだもんね。