寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

いつも湯たんぽはそうやって使ってたけど、使い方はそうなんだけど…


なんか恥ずかしいの!


「あの、佐湯くん…もう大丈夫だから、ね?」

この一瞬で十分あったまった気がする、なんなら心の奥からグーッと熱が上がったよ。

「なんで?」

「なんでって…」

じーっとこっちを見て瞳をうるうるさせる。

「ぼくじゃ…ダメ?」

コテンと首をかしげ、わたしの方を…


い、言えない!
こんなの断れない!!


「ダメじゃないよ、ありがとう」

「柑乃ちゃんのことはぼくがいーっぱいあたためてあげるからね~!」

ピタッと身を寄せて、ふふっと笑って。

暖よりちいさいし、人懐っこいし、わたしより佐湯くんのが気持ちよさそうで…

「柑乃ちゃん、あったかい~?」

甘えん坊だなぁ佐湯くんは。

「うん、あったかいよ」

ちょっとかわいいかも。