寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

佐湯くんにもらったお湯を飲みながらのどを潤していたら飛びつくようにぎゅっとされた。コップは両手で持ってたからこぼさなかったけど、三角座りしてたからよろけちゃうかと思った。

「柑乃ちゃんと2人でうれしい~!」

佐湯くんに触れられるとポカポカで、暖ほど熱はないけどホカーって癒されるようなあったかさを感じる。

でもさっきまで全力疾走して来たから、全然体は冷えてないしむしろ熱いくらいではあるんだけど。

「…って佐湯くん何してるの!?」

ぎゅっと抱きつかれてたと思ったら、今度はわたしの足を抱え込むようにピタッとくっついた。猫がちょこんっと丸くなったみたいに。

「え、なにって…柑乃ちゃんの足あっためてあげようと思って」

「いいよ!そんなことしなくても!」

「なんで?いつもやってるよ」

「そっ、そうだね!?それはそうだね!!?」