寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

教室の暖房が壊れてるのはわたしからしたら死活問題だ…!

直してもらえるまでどうしよう…

「……。」

暖がいてくれたら、いいんだけどなぁ。

「ねぇ!校門の前に超イケメンがいる!!」

授業が終わって帰ろうかとリュックを背負ったら廊下から興奮気味に叫ぶ声が聞こえた。誰の声かわかんないけど、女の子のキャァーッと叫ぶ声が響いた。

…そんなカッコいい人がいるの?
校門の前で待ってるって誰かのお兄ちゃんとかかな、へぇ~そんなイケメンの人が…


「暖っ!!?」


人だかりの校門の前に出たら名前を呼ばれた。一斉に女の子たちがこっちを向いたからびっくりしちゃった。


キャーキャー言われてたの暖だったの!?


「柑乃、迎えに来た」

「…っ!」

「「「「「キャーーーーッ」」」」」

黄色い声援にわたしの声はかき消されそうになる、女の子たちのキャッキャと羨む声に囲まれて…


は、恥ずかしい!
注目されちゃってる!!


「ちょっと暖っ、もっと目立たないように来てよ!」

「目立たないようにってなんだよ」

「こんなとこで待ってないでってこと!」

「学校には入るなっていうからここで待ってたんだろ」

だとしても、だとしても…


校門の前で堂々と立ってたら目立つからーーー!
その金髪すっごい目立つの!!


「ほら、手」

「…っ」