寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

ま…また増えた~~~~~~~~!?

「え、えっと…電気ストーブの…緋太さん??」

「はい、緋太です」

「それはあの…いつもここに置いてある…」

チラッと下を見てみたけどなかったから、いつも絶対ここにあるのにどこにも見当たらなかったから。

「いつも柑乃さんが使われている電気ストーブです」

あ…
あぁぁぁ~~~っ 

もはや声に出すことも忘れてしまう、2人いるんだから3人目もって考えなかったわけじゃないけど学校で会うとは思わなかった…っ 

こんなパターンもあるんだ、これはちょっと予想してなかったなぁ。

制服着てるから生徒かと思っちゃったじゃん…

「手、大丈夫ですか?」

「えっ」

「赤くなってますよ」

「あ…っ」

寒い風に当たって手が冷たくなってた、赤くなってジンジンしてる。 

そうだ、あっためてもらおうと思って保健室の電気ストーブに…

「いつも可愛い手が赤くなって可哀想って思ってたんですよね」

「かわいい!?」

言われ慣れない言葉に反応して、保健室なのに大きな声出しちゃった。

「温めて差し上げますよ」

おもむろに緋太さんが手を伸ばしたから、びっくりしちゃって触れそうになった手を避けてしまった。


あ…
今のはよくなかった、かも。


でもそんなわたしに緋太さんは微笑みかける。


「僕はちょっと近付くだけでいいんです」