寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

こんな男の子とひとつ屋根の下、しかも同じ部屋で2人きりでもなくもう1人増えて…ママどころか誰にも言えないよ誰にも…

「カンちゃんおはよ~!」

「お、おはようマーリー!」

もうすぐ学校、校門はもうすぐそこってとこで会ってしまった。
ハッとして暖から手を離そうと思ったらギュッと力を入れられて離せなかった。

「今日も親戚のお兄ちゃんと一緒なんだ仲いいね~!」

ほらっ 
こうなるじゃん!

見られる前に離れたかったのになんで離してくれないの!?

むぅって口を尖らせながら暖の方を見たらわざとらしくあっちの方向を向かれた。

…ちょっとイラッとした。

「あ、つぐみんもういる!つぐみ~ん、おはよ~~~!」

校門から校舎の方を覗けば手を振っているつぐみんがいてそれにぶんぶんとマーリーが振り返していた。

そのままタタッと駆け出して、わたしもそのあとをついて走り出そうと今度こそ暖から手を離し…っ

「って、離してくれないと学校いけないんだけど!?」