寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

―ピピピピ… 

アラームが鳴ってる、ってことは朝かぁ。
冬の日は寒くってふとんが恋しい、全然起きたくないまだ寝ていたい。

でも今日も学校なんだよね、早く起きて支度しないとわたしの準備は時間がかかるから。

何枚も着なくちゃいけないし、手袋にマフラーに耳当てに、あと充電式カイロ!

そうだ、昨日充電したっけ!?


充電しないと使えないー…


「おい、起きろよ」

自分の部屋なのに男の子の声がする不思議にハタッと目を開ける。
大きく目を見開くと覗き込むように上からわたしを見てた。


えっと、これはー…


「…暖っ!?」


わたしの充電式カイロ!!!


パチィッて目が合ったから無駄にあわてちゃって、急いで体を起こそうとしてふとんで滑った。

「柑乃っ」

上手く起き上がれなくて、転びそうになるわたしの体に暖が触れる。

その瞬間ポカっと体があたたまって、恋しかったふとんなんかどうでもよくなるから。

「いつまで寝てんだよ、学校遅刻するぞ」

「…ごめん、ありがとう」


……。

あれ?なんか…


ドキドキする??