寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

暖に抱えられらたまま街中を駆け抜けて、それがすごく目立っちゃってるんじゃないかって思ったら恥ずかしくて…マフラーで顔を隠した。

揺れる暖の腕の中で、頬を熱くしながら…


これは暖のせい?

それとも…



どっちも暖のせいだよ!




「大丈夫か!?」

家の中に入ったらその勢いのまま階段を駆け上がってわたしの部屋へ、たぶんママはまだ帰って来てない。

「う、うん…大丈夫…です」

ベッドの上に乗せられる、はぁっと暖から息が漏れる音が聞こえて。

やっちゃった…
いつもは気を付けてたのに、ついマーリーたちに会えたのがうれしくなっちゃって大丈夫だって思っちゃった。

本当は全然大丈夫じゃなかったのに。

「柑乃…」

下を向いたままの暖の低音が響く、わたしの顔を見ることもなくて…

迷惑かけちゃったから、わたしの顔も見たくないんだ。

これはきっと… 


お、怒られる…!


「悪い、俺がいたのに」