寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

「え…」

冷たい風が耳の中に入って来る。
そうだ耳当ても忘れちゃった、そんなことにも気づかなかった。

「顔色悪いよ、大丈夫?」

外に出た時は平気だったから。
つぐみんと目を合わせる、大丈夫って笑ったつもりだったんだけどひゅーって冷たい風が入り込んできて。

キンキンと邪魔をする、耳から風が入って頭が揺れるってどんなメカニズム?


よくわかんないけど、頭が痛い…!!


「カンちゃんっ」

クラッと頭がフラついて…


あ、やばっ 


視界が空を仰ぐ…っ



「!」


絶対倒れたと思った。
だけど頭が痛いって言いながらもそれは恥ずかしいって思ってた。
テーブルに頼って体を支えようと手を出したけど、ただ置いてあるだけのテーブルは不安定で掴めなかった。


でも今、ぶわって体があったかくなったから。


「あっぶなっ」