寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

そりゃ毎日何枚も服を重ねて、これでもかってぐらいマフラーを巻いて分厚い手袋をして身を隠してそう思われてもしょうがない格好はしてるけど…


けど!


こっちだって大変なんだからね!?

そうしないと外に出られないんだから!

「わたしには必要なものばかりなの…っ」

わたしだってこんなにいっぱいしたくないよ。

重いし、着ぶくれがすごいし、変だし…

それでも必要なんだもん。

声が小さくなる、下を向いちゃったから。顔が上げられなくて。

「じゃあマフラーだけしとけ、別になくてもいいけど」

床に散らばっていたマフラーを拾ってわたしにぐるんっと巻きつけた。

そのまま下ろした手が触れる、指を絡ませるように手を繋いだ。

「えっ、なに!?」

「手袋はしてない方が直接伝わるから」

「えっ」

ぎゅっと握られた瞬間、ぶわっと全身にあったかい温度が流れた。


え、なにこれ…

すごい、全身がポカポカあったまっていく。

繋いだ手からポカッと巡っていくいみたいにあったかくて気持ちいい。


このあたたかさ…



充電式カイロみたい!



顔を見上げればフッと声を漏らすように笑って、ちょっとだけ恥ずかしくなった。