寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

……。

「なぁまたここほつれてんだけど、どーにかしてくれよ」

目の前には充電式カイロの…


暖!!?


「なんで!?」

「ほつれてっから」

「そこじゃない!なんでここにいるのって聞いてるの!?」

「なんでって…」

だってもう会えないって、暖はもうあの日…

「直してくれた」

「誰が!?」

「ママ」

ママ…!?

「まぁ実際バッテリー交換したのは知らんおっさんだったけど、俺を修理に出してくれたのは柑乃のママだよ」

新しいの買えばいいって言ってたのに…
わたしの気持ち考えてくれたんだ、わたしが落ち込んでたから。

「だから柑乃」

ぐいっと腕を引っ張って抱き寄せる、クイッとあごを上げて視線を向かせて。


「今年も、温めてやるよ」


その瞬間、ポカッと温度がー…


あ、暖の温度だ。

またわたしに触れるー…


「柑乃ちゃん~!ぼくもいるよ~~!!」

「佐湯くん!」

ぎゅっと抱きついて来た。

わっ、もっとあったかくなった!

「お前離れろ!」

「なんで?どうして??」

「うざい」

ぎゅーってぎゅーって抱きしめた、暖も佐湯くんも。


もう会えないって思ってた。

あれでばいばいだって思ってた。


また一緒に冬を過ごせるなんて、嫌いだった冬が好きになる。



大好きな冬になるよ。



「柑乃…」

「柑乃ちゃん…」


わたし、冬が最高に好き。

だから今年もー…


「柑乃様」