寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

マーリーから1枚の写真が送られてきていた。
LINEグループに、そのあとすぐにつぐみんからメッセージが送られて来た。

“今度はカンちゃんも一緒に遊ぼうね”って…

「なんだこの写真…」

後ろからひょこっとやってきてスマホを覗き込む。

「クリスマスツリー?」

「ちょっと、勝手に見ないで…っ」

とんって体を押して引き離そうと、したんだけど。

全然力が入らなかった。

ただセーターをつかんじゃって… 

ちょっと触っただけなのにこんなにあったかいんだ。


不思議だね、ポカポカ体中があったまっていくみたい。

ちょっとしか触ってないのにね。


あったかい、からかな… 

瞳の奥まであったかくなっていくみたい。


「柑乃?」

俯くわたしを覗き込もうとしたからすぐに顔を上げた。

「あ、これね!駅前のクリスマスツリーなの!すごいキレイだよね、友達が送ってくれて…っ」

“今度みんなで見に行かない!?予行演習!”

気にしないでって言ったのはわたし。

2人で行って来てって言ったのもわたし。


だってわたしには無理なことわかってたから。


でも、クリスマスツリーの前でこんなに楽しそうな2人の顔見たら…っ


「連れてってやろうか?」