寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

腕を掴まれグッと抱き寄せられた。

その瞬間ポカッと体中に駆け巡る、もう触れられないと思っていた少し懐かしい暖の温度だ。


暖の…


「柑乃、悪い俺…」

「…っ」

暖の声が聞こえる、暖の肌に触れる、暖の体温を感じる。

あれだけ泣いたのに、まだ涙は溢れて来るから。

ポロポロと瞳からこぼれ落ちるあたたかい涙は次から次へと止まらなくて…

暖の背中に手を回してぎゅっと抱きしめた。

「暖っ、会いたかった…!」

「柑乃っ」

「ずっとずっと会いたかった!」

止まらない、止められない。

こんなにも愛しい気持ちがあること初めて知った。


胸がきゅっとなって少しだけドキドキしてる、暖に触れたらー…


「ねぇ~いつまでやってるの~??」

ひょこっとベッドの下から現れた。

「佐湯くんっ!!」

そうだ、昨日は佐湯くんと寝たんだった!

でも朝起きたら暖と抱き合って寝てたから…


え、暖と抱き合って寝てた?

えぇぇーーーっ