寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

「佐湯くん…!」

ふとんから飛び出して佐湯くんを抱きしめた。いっぱいいっぱい抱きしめた。

「違うよ、違うよ佐湯くん…佐湯くんが壊れればよかったなんて思ってないよっ」

いっぱい泣いた、暖のことを考えては泣いてばっかりだった。

でも佐湯くんはそんなわたしのそばにずっといてくれた。

「そんなこと言わないで…!」

なのに、佐湯くんにそんなこと言わせちゃう自分が嫌になる。

自分のことばっかな自分が嫌になる。

「わたし佐湯くんに会えてうれしかった、一緒にいてくれてうれしかったよ…!」

わたしを想ってくれる人たちはやさしくてあったかいのに。

「…っ」

あぁまた泣いちゃった。

すぐ涙が出て来ちゃうの…


だけど佐湯くんから伝わる温度はあったかくて。


ポカポカと体中が心地いい、こんな温度…

久しぶりだね。