寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

「え…」

そういえばいつからだろう、佐湯くんがくっ付かなくなったのは。

いつからだったんだろう、佐湯くんがわたしを抱きしめなくなったのは。

佐湯くんが…

「ぼく柑乃ちゃんのこと好きだよ」

「…っ」

床に座る佐湯くんがベッドでふとんに入って座るわたしを見上げる。

「でもさみしそうな柑乃ちゃんを笑わせてあげられない…」

佐湯くんが目を伏せた、途中から声が消えていくようで佐湯くんまでどこかにいっちゃうんじゃないかって思うほどに。

「そんなことなっ」

「だって柑乃ちゃんいっつも泣いてるもんっ」

あんなに弱々しかったのに、次に発する言葉はわたしの声をも掻き消してわたしを見つめる瞳は揺れていた。

「でもぼく暖じゃないからなんにもできないし、柑乃ちゃんあっためてあげることしかできないのに…っ」

涙が、こぼれ落ちていく。

佐湯くんの大きな瞳からポロポロ溢れて来る。

「ぼくが壊れたらよかったかな…っ」