寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

わたしを応援するためってなんだろう…?

緋太さんがふぅっと静かに息を吐く。

「柑乃さんが保健室から外を眺める姿をよく見て来ました。凍てつくような寒い日の体育はここからよく見てましたよね」

「あ…はい、寒すぎるとじんましんとか頭痛くなったりするから休んだ方がいいってママに言われて」

「真冬のマラソン大会は休めて嬉しいって言ってましたけど」

「それは!…言いました」

そんなことも知られてたんだ…!

恥ずかしくなって両手で顔を隠しちゃった。

「寂しそうな姿をたくさん見て来ました、僕は」

「……。」

「だから僕が一緒にいてあげたいって思ってたんですけど…」

覆った手をゆっくり下ろす、緋太さんの顔を見るようにして。

「柑乃さんが一緒にいてほしいのは僕じゃない」

緋太さんと目を合わせた。

かなしげな瞳がまっすぐわたしを見てる。

「僕は柑乃さんを応援してます」

「……。」

「柑乃さんは1人じゃないって」

「…っ」

寒がりだから、わたし。

ちっちゃい頃から誰より寒いのが苦手でこんなアレルギー本当に嫌だった。

こんな自分が大嫌いだった。

「柑乃さんが負けないように祈ってます」

そんな自分を好きになれたのはー…

「きっと彼は幸せだったんじゃないでしょうか」

暖がいてくれたから。