寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

「柑乃さん、お久しぶりですね」

にこっと微笑んだ緋太さんがドアを開けた。

久しぶりって言葉はよく似合う、学校へは毎日来てたけど保健室にはずっと来てなかったから。

2限目と3限目は20分放課、ちょっと長いから少し話しても次の授業には間に合う…よね?

中に入ってドアを閉めた。

「最近来られないので心配してました」

「あー…すみません、…」

なんとなく来られなくて、なぜか保健室(ここ)を避けてた。

「柑乃さん?」

保健室(ここ)に来たらダメな気がして。

「…寒くないですか?手赤くなってますよ」

スッと伸ばした緋太さんの手から逃げちゃった。
近付くだけであっためてくれるって言った緋太さんの手を、避けてしまった。

「寒くない…っ、です」

いっぱい泣いた、毎日毎日想っては涙を流した。

もう会えないことを思うと苦しくてしんどくて、どれだけ泣いたかわからないのに涙はいつだって流れて来るの。

「暖が…、いなくなっちゃたんです」

わたしの涙はどれだけ流れて来たら気が済むんだろうね。

教えてよ、暖。

「え…彼が?」

緋太さんは驚いた表情をしてた。

「いなくなったってどうゆうことですか?」