寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

いつも持ち歩いてたから、毎日使ってたから、どれだけ充電したかもわからない。

わたしは人より多く充電してたと思う。

充電すると内蔵された電池が消耗されて、使える回数はどんどん減っていくの…


1つ気になってた、でもこれが普通なのかなって気にしないでいた…


人間の姿の暖はよく眠るなぁって。



それはそうゆうことだったの?



「佐湯くん…暖はどうなっちゃうの…?」

前が見えなくなった、涙がいっぱい瞳に溜まって視界が揺れる。

「……。」

「このまま目を覚まさないなんてことないよねぇ!?」

「それは…」

「あ、修理とか!?直せばっ、まだ…暖は生きれれるよねっ」

佐湯くんはうなづいてくれなかった。 

ただまっすぐ暖の方を見るだけで、表情はわからなくて。

「だって壊れたら直すもんね!?直せばまた使えるよね!?そしたらもう一度暖にー…」

佐湯くんが一度瞬きをして、スッと私の方を見た。

「柑乃ちゃん、永遠はないんだ」

「…っ」

じゃあ…っ 



暖は、どうなるの…?



涙が溢れて来る、瞳に溜まった涙が一気に溢れ出してボタボタと制服のスカートの上に落ちた。

上手く息ができなくてひっ、ひっ、と小刻みに声を漏らして苦しくて痛い。


心臓が痛い、ドキドキして落ち着かなかった心臓が痛い…っ


「柑乃ちゃん、泣かないで」

佐湯くんの消え入りそうな声が耳に届く、わたしのひざに手を置いてポカッと温度をわけてくれて。

「ぼくまでかなしくなっちゃうから~…っ」