寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

すぐにしゃがみ込んで暖に触れた…

だけど、さっきまでのポカポカはなくなってヒヤッとしていた。

「暖!暖、どうしたのっ」

いつもなら聞こえるスースー気持ちよさそうな寝息も聞こえない、暖をゆさゆさと揺すっても呼びかけに答えてくれない。

じゅ、充電切れ…

じゃないよね?

寝てる感じしないもんね!?

でもじゃあ何?


様子かおかしい…!!


ざわつく自販機の前、少しづつ人が集まって来る。
伺うようにして覗く人たちがたくさん、でもそんなの気にしてられなくて。


どうしちゃったの暖!?

わたしどうすれば…!?


焦るわたしに佐湯くんが落ち着いた言葉で言い放った。

「もたなかったか」

その声はいつになく冷静で。

暖の前に佐湯くんもしゃがみ込み、暖の頬をペチペチと叩いた。

「もたなかったって…どうゆう意味?」

「……。」

「佐湯くん…!」

目を伏せるように暖の顔をじっと見て、温度を感じない暖の手に触れる。

気付けばぺたんと地べたに座り込んでいた。
 

表情の消えた佐湯くんの顔を見ながら…



「寿命」

 
まるで視界が真っ暗になっていくみたいに、追い付かない思考が止まりそうになる。

「え…?」

そんな言葉聞きたくなかった。