寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

暖と手をつないで、佐湯くんと…

佐湯くんは暖に抱えられていた。米俵運ぶみたいに。

「佐湯くん大丈夫?」 

「ん~…ちょっとお腹すいてきたかも」

「今日寒いもんね、すぐ冷えちゃうよね」

わたしはあったかいけど、暖に触れてる佐湯くんはどうなのかな?あったかいのかな? 

でも佐湯くん湯たんぽだしなぁ、あっためられてもあんまり意味ないのなかな…

「ぼく外はきらーい、すぐお腹すいちゃうから早く家帰りたい~!」

「じゃあなんでついて来たんだよ」

「来たかったんだよね佐湯くんもお迎え、ありがとねっ」

そう言ったら暖が眉間にしわを寄せて目を細めながらこっちを見て来た。


な、何その顔…っ 

そんな顔しなくても!


「あ、佐湯くんお湯買ってあげようか!今は売ってるんだよ!」

「ほんとに~!?わーい、ほしいお腹空いた~!」

通りかかった自販機にお金を入れる、何か必要な時にってちょっとだけお金を持たされてるから…今はたぶん必要な時だもんね。

お湯って言うか白湯だけどないよりいいよね。ボタンを押して出て来たペットボトルを暖に降ろしてもらった佐湯くんに渡してあげるとごくごくとおいしそうに飲んで、お腹も満たされてるっぽい。


…隣で暖はちょっとだけ不機嫌だけど。


しょうがないなぁ、もう。