寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

「ぼくもいる~!」

「佐湯くん…!?」

なんでーーーーーーー!?

あわててバンッとドアを閉めた。暖の後ろからひょこっと現れた佐湯くんを見たらとにかく早くドアを閉めなきゃって焦って。

「な、なんでいるの…!?」

人に指をさしちゃいけませんって言うけど、指をささずにはいられない。
さした指も震えてた、それくらいテンパってた。

「迎えに来たんだろ」

「ここまで来なくていいよ!しかも佐湯くんまで!」

「こいつも行くって聞かねぇから」

「だって毎日暖ばっかずるいじゃん!ぼくだって柑乃ちゃんおむかえ行きたい~!」 

ず、ずるいとかそーゆうあれじゃないよ!

見付かったらどーするのって言ったよねぇ?


わかってる!?

自分たちが何かわかってるの…!?


「でも途中で腹減って動けねぇっていいやがるから、仕方なくここに運んで来た」

「なんで!?それがよくわかんないよ!」

「だって柑乃もよく行ってるだろ?体調悪くなった時に」

「そうだけど違うよね!!?」

さすが暖、わたしがよく保健室(ここ)に来てること知ってる…


でも誰でも来ていいわけじゃないから、そーゆう場所じゃないから!

ケロッとしてる佐湯くんはお湯をもらえたのか気分よさそうだし!


「誰かに見付かる前に早くっ」

「柑乃さん、手…!」