寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

カイロの姿のが一緒にいられたのはそうだけど、でもあれって一緒にいるっていうのかな?

私が持ち歩いてただけな気が…

「うーん…」 

あ、しまったついうなり声が漏れちゃった。帰りのホームルーム中だったのに。

1日こんなことを考えてたらすぎるのは早くって。
霜月先生が今日の宿題とかなんとか話してるのをなんとなーく聞きながら、充電式カイロのことが気になって。

突然男の子の姿で現れたのもびっくりしたけど、なんでそんなことが起きたんだろ? 

……。

うーん、わからないや。

暖と一緒にいられるのはうれしい、だからこのまま戻らなくても…

てゆーか戻るなんてことあるのかな?

どうなんだろう…

「痛…っ」

心ここにあらず状態でホームルームを聞いてたからプリントが回って来たのも見てなくて、テキトーに受け取ろうとしてシュッと紙がすれた。

こんなヘナヘナな紙だけど紙の端っこは勢いよくすれるとナイフみたいな感覚に…

あぁーっ、パックリ指先が割れてる!
血がっ、血が滲み出した…!!

「カンちゃん大丈夫!?」

「だ、大丈夫…あ、ほんとにこれは大丈夫のやつだよ!」