寒がりなわたしの彼はすぐにわたしを抱きしめたがるから

きっとそんな日は来ないと思っていたわたしに、そんな日が…


「行きたい!」


声がうわずっちゃった。

気分が高まって返事をするより気持ちが先走っちゃって、変な声になっちゃった。

だけど、ふっと声を漏らして微笑んだから。

その表情にわたしの方が照れちゃって。


なんで暖の方がうれしそうに笑うの?

うれしいのはわたしの方なのに。


暖もうれしいの?


「クリスマスは雪が降るんだろ?」

「ホワイトクリスマスだよ!!!」

…っ!

わたしが笑うと暖も笑って、わたしが喜んだら暖がもっとうれしそうに笑った。


また照れちゃったじゃん。

言わなくてもわかっちゃうんだもん、暖がわたしのことを想ってくれてること。


「ありがとう暖、もうここで」

学校へ行くのもいつもより早く感じちゃうね、もうちょっと歩きたいぐらい。

「……。」

「…暖?」

…?

手を離そうとしても全然離してくれなくて、もう校門の前なのにぎゅっと握った手は力が強くなるばかり。

「暖、どうかしたの?」

「なんで学校に俺はいけないんだ?」

「………えっ」

そんな真剣な眼差しで聞かれてポカンとしてしまった。

いや、だってそれは普通に考えて…