「しーちゃんの生涯のパートナーだからね、私は。だから、離すつもりなんてサラサラないっつーの」



なんて、幸せそうにあこちゃんが笑うから。

きみが望むなら、昔の映画にあった忠犬のように、ジッとここできみの帰りを待ち続けるよ。

そしてきみになら、重い鎖でがんじがらめに縛り付けられても、それさえ喜びと感じてしまうから。

どうか、離さないで。

いつまでもオレを愛して?


「忠誠を誓いたいなら、ココに潔く跪いて?しーちゃんにだけ、許してあげるから……」


そう言って差し出された手。

そこに誓いの接吻けをするために、いつも以上に素早い行動で恭しくしーちゃんの前へと跪いた。

そっと手を取って口唇を寄せようとするオレを、不意にあこちゃんが引っ張り上げて。


「やっぱり、誓いならこっちがいいなぁ……」


ぺろりと口唇を舐められて、心なしか頬に熱が集まった。

オレはもう、あこちゃんだけの「オレ」だから。

あこちゃんの思うままに、オレを愛してくれればいいと心からそう、願う。

オレの全ては、あこちゃんのモノだから。


「ずっと、あこちゃんだけだから……」


そう祈るように囁いてから軽くキスをすると、もっと、とあこちゃんの口唇が追い掛けてくる。

容赦のない舌に翻弄されながらも……溢れて止まない喜びという感情。


オレは、あこちゃんの愛という……深くてキツい鎖に繋がれた犬。

そして、ただ一人の飼い主に虜にされた、ただのオトコ…。


気分によってで、構わないから。

どうぞお好きなように愛してください。


一生を捧げると心からの忠誠を、その度にきみへと誓い続けるから……。




Fin.