【中】酸いも甘いも、イケメンぞろい。



 備品室の扉を少しだけ開けて、顔をのぞかせると、部屋の中には3人の美男美女がいた。

 左右の壁に沿って置かれたスチールラックの前で、床に座りこんでいる大きな体の男の人と、反対側に立っている長髪の美人な女の人。

 部屋の奥に置かれた段ボール箱に座って足を組んでいる男の人なんて、冷たそうに見えるけど、お兄ちゃんに負けないくらいかっこいい。


 思わずしゃべるのも忘れて、ぽかーんと口を開けたまま見惚(みほ)れてしまった。




「なんの用だ?」




 奥のかっこいい人に話しかけられて、ハッと我に返る。




「あ、えっと、ここにわたしのお兄ちゃんが入っていったように見えて…天衣茅都(あまいかやと)、いますか?」


望羽(みはね)!?」




 備品室のなかを右、左、と見ると、お兄ちゃんが扉の裏から顔を出した。

 ものすごくびっくりした顔をしてる。