【中】酸いも甘いも、イケメンぞろい。

「…ううん」


「そっか。それじゃあ、またね」




 笑顔で手を振ると、心なしか硬い顔で手を振り返されて、どうしたのかな、と首をかしげる。

 でも、今は先輩たちが待ってるから…女の子を気にしながらも、わたしは先輩たちと一緒に、屋上前へと上がっていった。


 足を止めて振り返った先輩たちと対面すると、わたしはおずおずとみんなの顔を見回して口を開く。




「…どうして、あんなことをしたんですか?」


「やり直させようと、してたんだろ」


「わたしは、そうですけど…みなさんは、なんでも屋さん、ですよね」


「…そうよ。でも…、ごめんなさい、望羽ちゃん。うそをついて、だまして」


「え…」




 未来先輩が、バッと頭を下げたのを見て、目を丸くした。

 長い髪が()れるのだって気にせずに、未來先輩は頭を下げ続けている。