【中】酸いも甘いも、イケメンぞろい。

 うん、とうなずいて、わたしは渡り廊下の奥へ小走りで向かった。




「お兄ちゃーん…?」




 声を出しながらB棟の階段を上がり、2階の廊下に顔を出して一応お兄ちゃんの姿を探すと、お兄ちゃんが廊下の奥の部屋に入っていくのを見かける。

 すぐにあとを追うと、“備品室”と書かれた部屋から、うっすらと人の話し声が聞こえてきた。

 お兄ちゃん、きっとここに入ったんだ!


 …でも、どうしよう?他に人がいるみたいだし…入っていったらまずいかな?

 うーん、でも“備品室”だし、やっぱり先生になにか頼まれたんじゃ…!?

 とりあえずあいさつして、お邪魔(じゃま)そうだったら1人で帰ろう!


 わたしは心を決めて、扉をノックしてから、そっとドアノブを回した。




「すみませーん…」