「子どものときッスかぁ…そういえば俺、小2のとき、友だちにイタズラされて大泣きしたことがあるッス」
「…僕は、幼稚園で初めて、友だちに“男だ”って言われて、距離を置かれましたね…」
「あのとき、友だちに“こんなことで泣くなよ、友だち同士のじゃれ合いだろ”って言われたッス。あれは大きな衝撃だったッスねぇ」
「親に女の子として育てられて、自分でも自分が女子だとうたがってなかったから…僕が本当は男だって知って、衝撃でした」
「あれから、人にイタズラするのが好きになったッス」
「僕も…あれから、人がうそを信じている様子をながめるのが、好きになりました」
俺の言葉につられて昔を思い出したらしい2人の言葉を聞いて、あきれはてた。
どう考えても、その状況は。
「お前たちも、傷ついたんじゃないのか?いつまで経っても忘れられないくらい」



